2021年8月13日金曜日

今や幻となった癒しの架空空間、インターネット。

 インターネットとの初めての出会いは、兄のPCだった。


夜10時を過ぎると、ADSLだがなんだかのダイヤル式の音が隣の部屋にある兄の部屋から聞こえてくる。


ぴーーーーーーヒョロヒョロヒョロ


電話代が安くなる10時以降でないと気軽に繋げないインターネット。

でもそこは世界と繋がっていて、多くの人を魅了した。


私は当時中学生だったから、その魅惑の箱の可能性については未知そのもの。

そして何より、ちょっと触れただけで壊れてしまいそうで、なんだかおっかなかった。


デスクトップのスリープ画面は、当時大好きだった子供番組のウゴウゴルーガでおなじみのキャラクター"みかん星人"で、その画像を見たさに、意味なく兄の部屋を覗きに行ったりもしたっけ。



専門学生になると、バイト代をためて、一台のノート型PCを買った。

10万円の、ソフテック的なやつ。


そして、そこから私のSNS大航海時代が始まったのだ。


大航海といっても、もっぱら私の居場所はmixiだった。

趣味はPC、その時間の多くをmixiで過ごした。


当時付き合っていた彼氏は、フリーライターでPC仕事だったので、二人で並んでラッキーストライクを煙らせながら、たくさんの時間を過ごした。


SNSの過去記事を消したことは、特にこれといった後悔をしたことがないのだけど、mixiの日記だけは、消さなくても良かったな~っと、たまにふと物悲しい気持ちになる。


Instagramもアメブロも、今やつまらないただのテンプレ養殖場になった。

見たことのある写真、読んだことのある文体、そんな"売れるためのアルゴリズム"に満ちた場所は、心底つまらないし、反吐がでる。


あの、純粋な楽しみで満ちていた、心の充電をしてくれるようなインターネットの世界は、一体どこへ消えてしまったんだろう。


知らない人と繋がる歓び。それが当たり前になった悲しみ。いつでも誰とでも繋がれるから、目の前の人を大切にしなくなる。

そんな悲しく冷たい世の中になってしまったんだな、と、インターネットの世界を覗くたびにため息が出ていた。



だけど、久しぶりに、そんな暗たんとした気持ちを明るくしてくれたのは、noteだった。

もう一度、純粋な気持ちだけで、書いてみようかな。


そんな明るい気持ちが、ふわっと香ったのが、noteだった。


そして、この場所もまた、私の癒しだ。


もうさ、書き方の基本、とかどうでもいいじゃん。


誰が"基礎通り"のロックに胸を躍らすの?


誰が"お手本通り"の絵画に、涙を流すの?


いつだって、人を感動させるものは

枠からはみ出て、"通り"を外れたものたちなんだから。


さぁ、今こそ、枠を出よう。