まだ、小さかった頃の話だ。
私はとにかく“ちいさな世界”が大好きだった。
昔のシルバニアファミリーは、材質が今のようなプラスチック製じゃなかったから
それはそれは胸が躍った。
西洋風な食器棚やタンス、階段、木枠の窓もオシャレだった。
お祭りの日の露店で、運が良ければ買うことが出来るガラス細工も胸が躍った。
鶏の親子とアヒルの親子、熱帯魚やちょっと不細工なブタ。
龍に青と赤のカニ。
ちょっとずつ集めては、勉強机の一角に世界を創った。
それぞれの場所にそれぞれの仲間を集めて、綺麗に並べて眺めたものだ。
未だに私は、細々したものが大好きだ。
小さな世界にめいいっぱい、物語を詰め込む。
聖域のような場所を、あちこちに作るのだ。
こんな些細な趣味にも及ばないことを、
大切にしていこう。
多分、私が守らなくてはいけないものは、
こうゆう小さくて気を抜いたらすぐにでも忘れてしまうものたちだ。
人それぞれに、必ずある
自分の中の、聖域だ。
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