2015年6月23日火曜日

ハルうさぎ

一年で、一番太陽のパワーが溢れる、夏至の日

私にとっての、大切で愛おしい陽だまりのような存在が、空へ還っていった



ありがとう

ごめんなさい

ゆるしてください

あいしてます




苦しむ姿を見て、何度も思った

もう、楽になって、いいんだよ

でも本当は、楽になりたかったのは、私の方だった


でも、彼女は、最期の最期まで

生きることを、やめなかった



生ききること

命を、全うするということ



物語のように、ぱったりと潔く命尽きるのではなく

ゆっくりと、ゆっくりと、じりじり消えていく、炎のように。



死の直前まで

呼吸すらままならないのに

大好きなパイナップルジュースと

大好きなクッキーを前に

生きる最期の力を、出しきって、食べていた。



もう、数日、ちゃんと食事してないのに

赤ちゃんの頃以来おあずけされていた、大好物の味を、忘れてはいなかった



諦めるんじゃなくて

ふさぎ込むんじゃなくて


命が燃えている限り

命を、まっとうしよう



そんな大切なことを

小さくて軽くなった彼女が

彼女の命を通して、教えてくれた


私は、一生、忘れない

そして、生ききることで、彼女と、生きよう





腕の中で、命が燃え尽きる、瞬間

それはずっと、恐れていた瞬間でもあった

けど、それは

こんなにも愛おしく

こんなにも幸せで

こんなにもありがたい瞬間だったことを、知った


暖かくて、柔らかくて、大好きで

ありがとう、ありがとうって

ありがとうしか、出てこなくって


あとはもう、言葉にならない声しか、出なかったけど

心は、温かい感謝と愛情で、満ちていた。


なんだ

怖いものって、なにもないじゃん


色々なものが、ただひたすらに怖かったけど

怖いものなんて、一つもなかったんだね



ハル、いつもそばに居てくれて、ありがとう


安らかに、ひなたぼっこを、楽しんでね

大好きだよ



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